次の活動実施予告・実施済の報告


◎2024年度もつくし野ビオトーププロジェクトを実施します。
〇第1回定例活動は4月20日土専用畑で年間プログラムの発表や新キャベツと「?」の収穫体験などです。希望者にカブトムシの幼虫配布もします。
〇 第1回特別活動は、実施日・内容ともに未定です。

2015/01/17

活動報告 2014年度 第10回「小鳥を庭に招待しよう!」


文:小池さん
写真:井上さん、岡本さん、小池さん


「2014つくし野ビオトーププロジェクトⅨ」本年度10回目「小鳥を庭に招待しよう!」の活動報告をします。2015年1月17日土曜日の活動です。今回は、本編の活動報告(午前編・午後編)、おまけ1、2…という順です。


《活動報告その1:午前の巣箱の確認編

集合場所は、つくし野小の正門です。午後からの活動の準備を途中で中断し、集合場所に小学校からお借りしたはしごや巣箱の修理道具をもって駆けつけました。

例年通り、校舎の北西の角から始めて時計回りに巣箱の中の確認と掃除、付け直しの順で作業を進めました。全8個の内、2006年製作の記載があるものもありました。活動の初年度から付けられて9年目になるということです。



最初の巣箱は校舎の非常階段に付けたものでした。保護者のお母さんからは、こんなところに付けられているの!巣箱の中はこんな風になっているの!…と驚きの声もありました。

この場所は意外にシジュウカラに人気があり、今年も立派な巣が作られていました。たくさんのコケが巣材として持ち込まれていて、ボリューム感がある巣になっていました。巣に使われる材料や断面構成、卵が産み落とされ、温められる産座についても説明をしました。

これをスタートとして、一つずつ順番に確認をしていきました。ふたとなっている屋根を開ける時に、3、2、1…と子どもたちと掛け声をかけて開けました。

正門横の、初めは看板のオブジェとして付けたひし形巣箱は、大人の顔の高さ位の位置なのですが、毎年欠かさず営巣されています。今年も、営巣された跡がありました。

最初に確認したポスト型巣箱と比べるとひし形のものの巣材は、5分の1くらいだったように思います。親鳥にとっては、巣づくりが楽ちんなので、人気があるのかもしれません。

またここは、朝夕の登下校で子供たちが良く通る場所です。シジュウカラにとっての天敵カラスは人間を怖がって近づかない場所でもあります。このことをうまく利用して巣作りしているのではないかとも思います。



こうやって、巣箱をひとつずつ確認していきました。営巣していた巣は、そのままの位置に付け直し、営巣していないことが分かった巣は、少し場所や向きを変えて付けました。壊れていたものは修理をし、同日の夕方に付け直しました。


プール横のものは、昨年同様スズメが巣を作っていました。巣の材料も作り方も、シジュウカラとは全く異なりますので、すぐわかります。

どちらもカラ類と言って、同じ仲間のはずなのに随分違います。スズメの方が臆病で用心深いのですが、つくし野でも急に数を減らしています。営巣する場所が減っているからだ…という報告がありますが、昔から一番身近にたくさんいたスズメが少なくなっているのは残念なことです。(そもそもスズメという名前の語源は「身近に群れているトリ」という意味ですから…。)

スズメ用の、穴の直径がちょっと大きい巣箱作りを考えなくてはいけない時期が来ているのかもしれません。


昨年の営巣記録は、10個の巣箱の内4個の巣箱に営巣(シジュウカラ3個、スズメ1個)しており、さびしい結果でした。

今年は、8個の巣箱の内6個の巣箱に営巣(シジュウカラ5個、スズメ1個)しており、とても高率の営巣が確認できました。理由は良くわかりませんが、うれしい気持ちになりました。

午後からの教材として、取り出した巣材などを段ボールいれ、これを前に記念写真を撮りました。


午前中の活動の参加者は、児童6名、未就学0名、保護者5名、講師など5名の合計16名でした。


《活動報告その2:午後の巣箱製作編》

活動場所は、これまでの8回(8年間)の会場と違い、視聴覚室でした。従って、机が少なく、椅子ともども木製ではないのでこの種の活動には不向きな施設・会場です。従って、少し心配しながら、午前中から準備を進めました。

また今年は、事前の参加申し込みを行っていないので、何人の参加者があるかわからず、毎回資材を大目に用意していますし、一方で活動を始めるまで誰も来てくれないではないかと心配しています。三々五々参加者が集まってきてくれてほっとしました。今回に限り、材料費として500円/個集金をしました。

はじめに私が講師になり、身近な野生の生物、野鳥についてお話ししました。


今の地球でいちばん繁栄している生き物はヒト(人間)かもしれません。しかし、どうもヒトは傲慢(ごうまん:自分たちは頭がいい、えらいといばってしまうこと)になり、地球は自分たちのもののように考えているようにも思えるけれど、そうではないのではないか? 地球は、人間だけのものではなく、その上で暮らす全ての生物のものではないか? その意味で、一番身近な野生動物にやさしくしたい…とお話ししました。

身近な野鳥として、スズメ、シジュウカラ、メジロ、カラス、オナガ、ヒヨドリ…などについて、種の違いや特徴をお話ししました。スズメ、シジュウカラ、メジロについては、巣の実物もお見せしました。


庭に来る鳥たちにエサを与える方法と、与えてよい時期、本当は自然の生物なので気を付けないと人間に好かれる種類だけえこひいきしていることにもなりかねないから、注意が必要だ…というお話もしました。


いろいろな身近な野鳥の中でもなかでも、私が大好きなのはシジュウカラ。姿が美しく、鳴き声もかわいく、なによりツガイ(人間で言えば夫婦のこと)が仲良く、そろって子育てをします。胸にある縦の黒いスジで、オスとメスが簡単に見分けられもします。

野鳥のなかでも巣箱を利用して子育てする種はごくわずか。シジュウカラは人間が作った巣箱を良く利用するけれど、それは住宅地では彼らが巣を作れる大木の洞(うろ:木の幹の中に出来たくうどうのこと)などなく、住宅不足になっていることをお話ししました。

また巣箱はそろそろ付けたほうが良い時期であること。巣作りを始めるのはもう少し先だけれどもうツガイは出来ていて、子育てする場所をさがしはじめていること。今日作る巣箱は、杉板製で、1年に一度くらい修理したりすれば10年以上使えること。ただし、毎年、中の掃除をして作られた巣材を取り除かないと古い巣材の上には、あまり営巣しないことなどをお話ししました。

説明のあと、今日作る巣箱の種類は自分で選べること。それぞれの設計図は用意してあることなどをお話ししました。木を切るときに、線を引くために使う金尺(かなじゃく)の使い方の注意もお話ししました。

つくし野小図工教諭のS先生が用意して下さった、ノコギリ、キリ、金尺、ドライバーをお借りして、各自作業を始めました。



1年生や2年生はなかなかノコギリを使うことは大変なので、板の上にすわっておもりの代わりとなってお手伝いしてくれる子もいました。あちこちで家族での楽しそうな声が響き、私にとってはとてもうれしい時間が過ぎていきました。

直径28mmの巣穴や、水抜きの穴は特別な工具を用いて開けるので、私と一緒に作業しました。小学生が電動ドリルを使って穴を開けるなんて言うのは初めての経験ではなかったかな?



この日参加した13家族はなかなか優秀。途中からお父さんが手助けに駆けつけてくれた家族もいて、作業を始めて2時間少しの4時ころにはみな完成していました。

今回の支援者・ゲスト・講師は、高見さん、井上さん、平嶋さんと小池でした。月刊誌「スクール・アメニティ」の岡本さんが、今回も取材に来てくれました。

そして参加者数は、児童(1年生:7名、2年生:4名、3年生:2名、4年生:0名、5年生:0名、6年生:1名)、未就学児0名で児童の合計14名、中学生0名、保護者16名、顧問、講師、取材者は5名の合計35名でした。

参加児童の家族数は13家族で、11個の巣箱と2個のエサ台が作られ、つくし野の街に散っていきました。

参加して下さった皆さん、ご支援して下さった皆さんありがとうございました。

最後に集合写真を写しました。いつものように私のわがままで、ランドセルのように巣箱を背負った写真も写しました。是非このまま、つくし野の街を歩いて、自宅に持って帰ってほしい…とお願いもしました。




おまけその1:サヤエンドウの芽が出たぞ!!》

12月の活動で専用畑にソラマメやサヤエンドウなどのタネをまいたのですが、ちょっと蒔く時期が遅くなってしまいました。また、蒔いた後、心配だったので週末ごとに見に通っていたのですが、すぐに寒波が何回も来て、霜柱がたくさんできていました。

しかし、中村さんが敷いてくださったネットのおかげで、カラスにほじられることなく元気に芽を出していました。写真は1月18日に写したものです。ソラマメはまだ心配ですが、根を伸ばしているものもありました。元気に芽をだして、春にはたくさんの収穫があるといいな…と願っています。



おまけその2:スクールニュース》

今回も月刊誌「スクール・アメニティ」の岡本さんが、当日の活動内容を同誌が発信するブログニュース「スクール・ニュース」で発信してくださいました。
 ↓
『体験型環境教育の現場 つくし野ビオトーププロジェクト1月』


おまけその3:トム・ソーヤースクール企画コンテスト》

ちょうど1年前に、安藤財団主催のトム・ソーヤースクール企画コンテストで、学校部門の最優秀賞「文部科学大臣奨励賞」を頂きました。安藤財団の紹介パンフレットにも、この活動の写真が1枚使われていました。プールでのヤゴ救出大作戦の時のもので、ブログにも使ったものです。三浦雄一郎さんとの記念写真も掲載されていました。




おまけその4:毎日農業記録賞》

昨年秋に受賞した毎日新聞主催の「毎日農業記録賞」の賞状と楯が送られてきたので紹介しておきます。

この活動の内容を、広く社会に環境学習などの参考例として伝える努力をしています。(対象によって団体名、個人名の両方です。今回は個人名での応募しか許されない賞でした。)

それが結果として客観的な評価をされたものとして、参加することで支持して下さっている皆さんと共有できれば…との気持ちです。




この活動の趣旨と歴史にご理解いただける皆様の、更なるご支援をお願いいたします。ありがとうございました。
以上です。



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